院長挨拶

月日は百代の過客にして…。お陰様で乳腺クリニック長瀬外科も、2023年6月末で25年が経過しました。
開設した当時はまだ乳腺専門の無床クリニックは存在せず、手探り状態でブラックジャックのように進むしかなかったのですが、現在では数えきれないほどの乳腺クリニックができて、本当に良い時代になりました。
当初より多くの皆様のご支援ご指導をいただき、心より感謝いたしております。
クリニック25年間に、患者さんの総数は26,000名余り、原発性乳がん患者さんを約1900名診断し、そのうち72%を専門病院へ紹介、その他を当院で治療(乳房温存率:2/3強)しました。
授乳期の方を含む良性乳腺疾患は数え切れなくなりました。
この間、乳がん診療についての臨床研究発表や、医師・看護師・診断技師・助産師・保健師・一般市民への啓発・講演も数多く行うことができました。
2000年度から、柏市医師会理事として柏市乳がん検診の改善と市民への健康教育の仕事に関わり、その後は医師会と行政や関連団体とのさまざまな事業で協働し連携を図りました。
がん対策事業では、すべてのがんの予防と早期発見を目的とした啓発・検診事業の充実、患者・家族が適切な情報や相談を受けられる資料・施設の整備、質の高い診断・治療、緩和ケアや在宅ケアも受けられる関係医療施設間のネットワークづくり、患者同士の自助グループ支援やボランティア育成、などを図る幅広い計画を立てました。
2010年度に柏市医師会副会長となった頃から、特に在宅医療を含む地域包括ケアシステムの構築を推進して、国のモデルにもなりました。
2019年度に柏市医師会長となってまもなくコロナ禍となり、新型コロナウイルス感染症対策を含む地域医療の環境を整備、2023年5月の同感染症収束をもって、医師会という公的活動から身を引くことができました。
四半世紀を振り返り、開院当初はどこよりも質の高い診断・治療・ケアをともしかすると高慢な気合いが入り過ぎていたように思いますが、今では無駄な気負いはなくなって、一医師、一僧侶、一人間として、今の自分にできること、すべきことを淡々と行っています。
ひとりでも多くの方が笑顔で心安らかとなるように、いつものスタッフとともに心のこもった温かい診療をめざしていきたいと思っています。
2024年4月吉日 乳腺クリニック長瀬外科 院長 長瀬 慈村 拝
院長略歴
- 1960年7月2日生(新宿区)
- 獨協中・高卒、群馬大学医学部1986年卒
- 東京医科歯科大学第1外科入局
- 1998年7月 乳腺クリニック長瀬外科 開設
- 原発性乳がん症例数:1897例 / 25年間
- 2000年〜 柏市医師会 理事10年、副会長9年
- (柏市議会議員一期併任)、会長4年〜、顧問
- 2006年〜 千葉県医師会代議員
資格
- 真言宗豊山派教師(権少僧都)
- 日本乳癌学会専門医、日本外科学会認定医
- 千葉県地域災害医療コーディネーター
- 日本医師会 認定産業医・死体検案上級研修終了
趣味
無双直伝英信流居合道(参段)、書、旅、能・小鼓(大蔵流)、ゴルフ、サッカー等