第1回症例
ディスカッション

マンモグラフィ診断
  ・良性(カテゴリー3を含む):5名
・乳癌:6名
・不明:8名
●massについて
・massあり:2名
・massなし:17名
●石灰化について
・石灰化あり(良性):2名
      (悪性):6名
・石灰化なし:11名
MMGでは多くの先生が読影不能とコメントされましたが、乳癌とした先生方の診断根拠は、
pleomorphic あるいは amorphous な石灰化の集簇でした。

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超音波診断
  ・良性:5名(乳管拡張のみ)
・乳癌:6名(うち3名は非浸潤性乳管癌)
・不明:8名

超音波上は非浸潤性乳管癌を考えた先生方の所見:11時から12時方向に乳管拡張を認め、
口径不整あるいは蛇行よりduct ectasiaというよりはintraductal componentによる拡張所見。
拡張乳管の内部エコー所見は、比較的均一な低エコーで、ぎっしり癌がつまっているというよりも、
癌により液体が貯留して拡張していると考えた。
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乳管造影診断
  ・良性(乳管内乳頭腫):6名
・乳癌:6名(うち5名は非浸潤性乳管癌)
・不明:7名

良性とした先生の診断根拠としては、壁不整のない乳管拡張と陰影欠損であり、
乳癌とした方の根拠は、乳管壁の不整と途絶でした。
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乳管内視鏡診断
  ・良性(乳管内乳頭腫):7名
・乳癌(非浸潤性乳管癌):4名
・不明:8名
良性とした先生の診断根拠は、表面平滑な腫瘤像であり、乳癌とした方の根拠は、
連続性の小隆起と色調の異常でした。
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細胞診
  ・良性(乳管内乳頭腫):6名
・乳癌(非浸潤性乳管癌):5名
・不明:8名
良性とした先生の診断根拠は、二相性の保持と結合性の良さであり、
乳癌とした方の根拠は、二相性の欠如でした。
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組織診
  ・良性(乳管内乳頭腫):5名
・乳癌(非浸潤性乳管癌):7名
・不明:7名
良性とした先生の診断根拠は、二相性の保持であり、乳癌とした方の根拠は、
篩状構造と腺腔内の分泌像でした。
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総合診断
  ・良性:9名
 乳管内乳頭腫あるいは乳管乳頭腫症:8名
 atypical ductal hyperplasia:1名

・乳癌:10名
 非浸潤性乳管癌:6名(うち2名は亜型推定あり:papillary type)
 乳頭腺管癌:3名(うち2名は微小浸潤癌)
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治療方針
  良性と診断した先生10名の治療方針
 ・経過観察:2名
 ・乳管小葉区域切除術:5名
 ・乳腺扇状部分切除術:1名
乳癌と診断した先生9名の治療方針

 ・乳管小葉区域切除術施行後に治療方針を決定:1名
 ・Probe Lumpectomy 後に治療方針決定:1名
 ・乳房温存術(乳腺扇状部分切除術のみ)後に治療方針決定:4名
 ・乳房切除術(郭清はlevel l):3名(うち2名は乳房再建を付加)
術後治療方針決定については、浸潤部分があれば腋窩リンパ節郭清を付加、
切除断端陽性であれば追加切除あるいは乳房切除としており、
また乳房切除となった場合には多くの先生は乳房再建を付加するという御意見でした。
放射線療法・化学療法・内分泌療法等については、若年者であるということを考慮してか、
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