乳がんから身を守るために

これまで、乳がんの診断・治療、その他いろいろお話ししてまいりましたが、それでは実際に”乳がん”から自分の身を守るためにはどうしたらよいのでしょうか。そのためにはまず、乳がんとはどんなものか、つまり相手を知る必要があります。乳がんは、女性であれば誰でもなりうる病気であること、しかし治しやすい癌であること、現在はその診断と治療は極めて進歩していること、を知っておいてください。

その次に、乳がんから守るべき身とはなんでしょうか。それは乳房と生命、そして心であると思います。まず乳房について、以前は乳がんになれば乳房を全部取り去らなければなりませんでしたが、現在では乳がんを早期のうちに見つければ乳房の形を残したままの乳房温存治療も可能となっています。

また、たとえ乳房温存ができなかったとしても、乳房は再建することができます。これには自分のお腹や背中の脂肪・筋肉を使ってつくる場合と人工の乳房を使う方法とがあります。

次に生命について、これはやはり早期発見が1番です。しかし、しこりが大きくなってはじめて気がついた場合、良い治療は受けたが残念ながら再発してしまった場合もあるでしょう。でもあきらめてはいけません。現在はいろいろな治療法、治療薬が開発されています。その乳がんに合った方法や薬剤が存在する可能性も高いのです。治療がマッチすれば、再発してしまっても寿命を全うできる方もいらっしゃるのです。

そして心について、病気そのものに対しては皆さん大変気を配りますが、心のケアは忘れがちです。万が一乳がんになってしまったとしても前向きの気持ちが大切です。気持ちで負けてしまっては病気にも勝てません。

以上が乳がんから身を守るすべです。最後に提案、自己検診(月1回)と乳がん検診(年1回、視触診だけでなく乳房X線撮影や超音波検査も)を習慣づけましょう。”乳がんも早くみつけりゃこわくない”
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